「剣岳主稜線〜北方稜線縦走」
参加メンバー:鮓本 家山 辻(元会員) 佐藤
日程 04年9月23日〜26日
レポート 佐藤
今回が実質、岩峰会・会員の方と初めていく泊まりの登山。また、私の登山歴の中では、おそらく一番難しいコースを行くことが予測される。技術・経験ともに不足は明らかであり、当日は、とにかく体力面では迷惑をかけないように、体力作り、体調管理を万全にして、当日を迎えるように心がける。
●9月23日
京都/4:00発 〜 馬場島/8:30着/8:45出発 〜 松尾平/9:40 〜 1200m/10:20 〜1500m/11:20 〜 1900m/12:35 〜 早月小屋/14:05 テント泊
前日は寝つきもよく、少し眠れる。鮓本さんが車を出してくださり、自宅近くのベルファー前に3:00集合。ジャスコに向かい、家山さん・辻さんが合流。4:00頃京都を出発。途中、インターで朝食を食べ、馬場島へ到着。天候はどんよりとした曇り。登山口に入る。これからの行程を思うと身が引き締まる思いがする。登りはじめから、いきなりの急登。汗が流れおちる。歩きはじめての感触としては、体調もそれ程悪くないようで一安心。岩峰会は、とにかく休憩の時に長話をしてしまうので、コースタイム通り歩く事は少ないという話を聞く。しかし、今回は、ほぼコースタイム通り歩いている。早月尾根は、エリアマップに北アルプス3大急登という記載があるだけあって、登り応えは充分。また、急登の上、木の根っこがすべりやすく、結構歩きにくい。いつしか、左手には猫又山などが見えてくる。 今回の山行でまず、気づいた事は、私以外の人のザックが小さい。軽量化を図っておられる事がうかがえる。出発から、約5時間、無事早月小屋に到着。テントを張る。テントは4人入ると結構狭い。小屋で、ビールと水を購入する。テントに入り、ビールを飲みしばしの休息。 そして、鮓本さん特製の、カレーが作られる。人数分以下のレトルトカレーを水で薄め量をふやし、コンソメ、ウインナ−をいれ、あっさりカレーが完成。片付けも、少しの水で鍋を、きれいにできて、合理的な一品。とてもおいしくカレーを食べる。「天気予報を見にこい」という、小屋のおじさんの言葉どおり、食事終了後、小屋のテレビを見にいく。小屋泊まりの人に混じって、TVをみるものの、天気予報は少し時間がおくれ、見逃す。小屋のおじさんは、酒をのみながら、これから行く、北方稜線は危ないよという話を始める。また、山岳警備隊員の精鋭がいかにすごいかを語り、ヒマラヤを語りと話がとまらない。おじさんの話の半分ぐらいは、私にはよくわからない内容だったが、とりあえず、今から登るコースは危険もあるので、心して行くようにというメッセージを送っておられた。おじさんの話が終わる頃には、小屋泊まりの人は誰もいなくなっていて、なぜかテント泊まりの私たちだけが話を聞いていた・・・。
●9月24日
起床/3:30 〜 早月小屋発/5:05 〜 2614/6:30 〜 2800/7:20 〜 剣岳/8:30着 〜 休憩 〜9:00出発/ 〜 三ノ窓/10:45 〜 小窓 12:30着 〜 休憩 〜 12:50発 〜 池ノ平山/14:30 〜池ノ平小屋/16:30
夜は、雨が降る。ベンチレーターから、浸水。水がちょうど顔にかかり、眠りを妨げられる。それでも、起床時には雨がやむ。朝食をすませ、5:05出発。剣岳山頂をまずは目指す。思い返すと、結局、この日の前半のみが、天候にめぐまれ、晴天であった。登りだして約2時間、剣岳が見えてくる。室堂よりきた人たちが合流をしてきて、頂上付近には人がごったがえす。みな、山頂を登れた達成感に歓声をあげている。私たちは、まず岩陰に入り、食事をとる。これからが、今回の行程の核心部への突入。これからいくであろう、稜線を目の前にして、緊張感と、期待感が入り混じる。
今日は、雨がいずれは降ることが予測され、鮓本さん・家山さんとの間で、今日は、当初の予定通り、小窓までにするか?池ノ平小屋までいってしまうか?相談がされている。9:30剣岳を出発。稜線沿いを登ったり、下ったり。もし、落ちたり、転倒したり・・・、落石を落として前を行く人にあててしまったり・・・と思うと緊張感が高まり、とにかく慎重に歩く。歩いてきた道を、ふと振り返ると、あらためて、危険な所を歩いている事を実感する。三ノ窓直前には、ガイドつきと思われる中高年のパーティが前を歩いているのが見える。急坂のガレ場をどんどん下っていって、10:45、三ノ窓に到着。しばし休憩。三ノ窓雪渓がみえる。これまでのルートを歩いてみて、少ない回数だが、金毘羅での岩登りやクラックスにいったお陰で、多少は恐怖感もうすれ、少しは自信をもって歩けたように感じる。三ノ窓を出発。いきなりの急登。登りきると、小窓雪渓がみえてくる。一気にテンションがあがる。昨日の雨のせいか、全体的に足元が湿っている。急坂を下る最中、岩ではなく、草に足をおいた瞬間、すべり転倒をおこす。あっという間に転げ落ち、「次の回転で、止まらないと危ない!!」と思った瞬間、前を歩いていた、家山さんがストックで止めてくださる。もし、このまま転げ落ちたら、命の危険もあっただけに、家山さんに何よりも感謝!!そして、恐怖感がこみあげてくる。そこからすっかり腰が引けてしまい、小窓雪渓までの下りはとにかくスローペース。とりあえず小窓雪渓に到着。ガイドつきのパーティは小窓雪渓を下っていく。私たちパーティは時間的にも、池ノ平小屋までいけると判断し、池ノ平山にむかう。この頃より雨が降り出す。昨日、早月小屋のおじさんから、池ノ平山はブッシュで登りにくいといっていた事を思い出す。話の通り、登りにくい。雨が降っている上に、私にとっては岩登りのようなコース。重い荷物をしょって、登っているため、かなりの緊張感と疲労感がおそう。そこを抜けると今度は、ブッシュが続き、しんどさも倍増。歩けど、歩けど池ノ平はつかずという気分。14:30池ノ平山に到着。静かな山頂。ここまで登ってくる人は、そういないと思われる。なんともいえない充実感がこみあげる。小窓雪渓をバックに、山頂をバックにと各自写真をとる。「下りはハイキングコースや!」と早月小屋のおじさんはいっていたが、結構急坂で、おまけに雨、さっきの転倒の悪いイメージも残っており、足元には注意をして慎重に歩く。「早く、池ノ平小屋につきたい!!」と思いながら慎重に歩く。16:30ついに池ノ平小屋に到着。なんと、小屋で、ドラム缶風呂にはいっているおじさんに遭遇。天国と地獄状態。到着すると雨も止み、まずはビールを飲む。核心部を抜けた達成感と酔いで、テンションもあがる。この日の夕食は牛丼。次の日は、仙人池でもゆっくりして、その後、仙人温泉小屋、阿曽原温泉小屋で露天風呂に入ろうと相談し眠りに入る。
●9月25日
6:00起床 〜 池ノ平小屋/8:15発 〜 仙人池ヒュッテ/9:00着〜 休憩 〜 11:00発 〜 12:20仙人温泉小屋/12:20 〜温泉入浴 〜 13:00発 〜 阿曽原温泉小屋/15:20
6:00起床。池ノ平小屋から、少し下った、池のある庭園(?)が眺められ、景色も良い。写真をとっているおじさんもいる。昨日の雨でぬれた物も干しながら、テントなどを撤収し、出発となる。出発して、あっという間に仙人池ヒュッテに到着。ここは、何年か前に、NHKの特集でみた景色である事に気づく。仙人池からみえる剣岳の風景写真をとりにたい人がたくさん来ていて、小屋には名物おばあちゃんがいる所だったはず。早速、そのおばあちゃんに遭遇。確かにとても感じの良い人である。鮓本さんは、エアマットをとりだし寝そべり、ぬれた物を乾かしと完全に一休みモード。それに私たちも見習う。そんなに来れる場所じゃないから・・という事で、仙人池で、剣岳がみられるチャンスをまつ。しかし、雲がかかり稜線がちらちらと見える程度。結局、今回、仙人池からの剣岳はみる事はできず、11:00出発となる。約1:30ほど、歩き仙人温泉小屋に到着。念願の温泉に入る。なんとも気持ちいい。辻さんが温泉に入ってる風景を写真撮影。次は、阿曽原で温泉に入ろうと、話し出発。温泉に入ったせいか、疲労がどっと出てくる。くだりが結構だるい。また、崩壊により、登山道が迂回している場所があり、その登り返しもだるい。どんどん、下って、15:20に阿曽原温泉小屋に到着。早速、ビールを飲み。ビールを片手に、温泉に入る。自分たちの足で歩いてきたからこそ、入れた温泉。喜びを感じる。阿曽原小屋付近には、トンネルも随所にみられ、こんな山深くまで人々が入って、山を切りひらいていった事に、感慨を覚える。夜に、もう一度、風呂に入り、からだはぽかぽか。いよいよ明日は最終日。
●9月26日
4:15起床 〜 5:45出発 〜折尾谷/7:15 〜 欅平/10:20 〜 トロッコ列車乗車/10:43 黒薙温泉着 〜 黒薙温泉入浴 〜 黒薙/13:00発 〜 宇奈月/13:30 〜 上市/14:35 〜 馬場島/15:00着15:30発 〜 車 〜 京都/20:00着
起床。2日目の転倒で強打した膝が痛い。そのため、テーピングを、家山さんにしてもらう。お陰で、痛みが楽になる。天気はどんよりした曇り。水平歩道を歩く。とにかく水平歩道は長い。それにしても、この水平歩道や、黒部ダムを作った人たちはすごいなと感じる。いずれ、世界遺産になるのではないか?それぐらいの価値があるのではないか?と話題になる。熊野古道のように、時間が経過すれば充分可能性があるように思う。黒部ダムに関連する本が読んでみたくなり、鮓本さんに良い本を紹介してもらう。10:20欅平に到着。突然、観光客が現れる。観光客からみれば突然、汚い登山者現れるだと思いますが・・・。何回、山に登っても、下山して一般の観光客に出会う瞬間は、違和感がある。初めてのトロッコ列車にのる。一般の観光客のように、トロッコ列車だけにのったなら、あまり感動もなかったと思うが、ずっと歩いてきて、乗ったため、結構感動する。トロッコ列車からみる景色や風が気持ちよい。黒薙に到着。トンネルを抜けて黒薙温泉にいく近道を行く。トンネルを抜けたらと黒薙温泉!と思うとわくわくする。トンネルを抜けて黒薙温泉到着。これはまさに秘境の温泉。黒薙温泉を紹介してくれた鮓本さんに感謝。まずは、露天風呂に入る。ここでも、恒例の辻さんの記念撮影がある。(写真を送ってくださり、ありがとうございます)大自然の中、最高の気分で温泉にはいる。ここで、なんと、外人(男性)、日本人(女性)のカップルが、露天風呂に入ってきました。なかなか度胸があります・・・。混浴の露天風呂ですから悪い事をしている訳ではありませんが・・・。ともあれ、温泉を満喫し、湯上りにはもちろん、ビールです。またまた、トンネルを抜けて、黒薙駅に戻り、トロッコ列車にのりこみ、宇奈月まで。そこから、のどかな富山を列車は走り、上市到着。馬場島に戻り、車で京都へと帰りました。
●おわりに
初の岩峰会の泊まりの登山はとても充実した、楽しいものになりました。一方で、ザックの軽量化や、テント生活の技術・その他にも、何点か課題や改良点もみつかりました。また次の山行などに、いかしていけたらと思います。
山行中、鮓本さん・家山さん・辻さんと、話した、あれこれは、とっても楽しかったです。また、様々な形でサポートして頂きました。そのお陰で、ぶじ山行を終えれたと思っています。ありがとうございました。