「剣岳・山行報告

 

<メンバー>CL鮓本 SL首藤 簗瀬 山川 遠藤 前田 佐藤                

<日程> 04年12月29日〜05年1月3日

<レポート> 佐藤 求  

04.12.29>

京都駅 21:00→彦根23:00→京都12/30日1:00

中西さんが、差し入れ持参で、出発を見送って下さる。(とても心強く、ありがたかったです。ありがとうございました。)天気は、全国的に荒れ模様。現地へむかう途中から降雪が予想される。車は、首藤さん号(首藤・山川・遠藤・佐藤)が京都駅集合。鮓本さん号(鮓本・簗瀬・前田)は、別の場所で集合。最終的には、上市駅で集合予定。私は、首藤さん号に乗せて頂き、出発。名神に乗り、滋賀県の八日市に入ったあたりで、早くも雪がすごい勢いで降ってくる。早速、路肩に車を駐車し、チェーンを装着。なんと、警察が、後ろからきていて、発煙筒を焚き、私達の車の安全を確保してくれる。(はじめて警察に感謝しました)名神は、降雪のため、速度規制がかかり、渋滞。チェーンを装着し、走りだすものの、さらに雪が激しくふっている。結局、車で現地に向かう事は諦め、一旦京都まで戻る事となる。鮓本さん号は、名神に乗らず京都で待機中。首藤さん号は、彦根で折り返し、京都へ引き返す。さて、今回の山行は、決行となるか?それとも・・・・。

 京都に戻り、鮓本さん号と合流。合流した所で、鮓本さんが一言「電車で行こう」。翌日電車で馬場島までむかう事が決定する。時間は深夜の1:00をまわった所、今から自宅に帰るにも遅すぎる時間帯。この日は、前田さん宅に泊めて頂ける事となり、前田さんの家で泊めて頂く。ありがとうございました。

 

04.12.30>

京都駅/7:38〜富山駅/10:20〜 上市駅/11:30 〜タクシー〜 伊折/12:15 〜馬場島/15:15

 

京都駅から、電車に乗り込む。車でむかう予定だったため、下山してからのお風呂セットなどもあり、皆さん、ザック以外にも荷物で一杯。特に、「快適ちんでんライフ」を目指す?遠藤さんは、食料などで、荷物がおおい。相当な重さになっていそう。富山駅で、お風呂セットなどはコインロッカーにおく。電車を乗り継ぎ、上市駅に到着。タクシーで馬場島を目指す。雪のため、馬場島まで、タクシーが入る事ができるかは微妙な情勢。結局、伊折をすぎた付近で、雪のため、タクシーは、それ以上進めなくなる。その地点から、徒歩にて、馬場島までむかう事となる。それにしても、荷物が重たい。昨日の睡眠時間の短さか?それとも年末の疲れがでたのか?レーションがおおくて重いのか?全てが原因と思われるが、歩くのがつらい。

 雪は膝下程度。15:15馬場島到着。時間的にみて、本日は馬場島でテント泊となる。富山県警山岳警備隊の常駐施設に、立ち寄り,やまたん(探知機)を各自、一個づつ、名前を確認し、渡される。警備隊員の人によれば、昨日までは,馬場島までタクシーが入っていたとの事。28日に相当雪がふった模様である。私は、やまたんなど渡された経験はなく、あらためて、危険な所に行くのだと思う。

今日は、歩くのはつらかった。明日からが入山。そのため、とにかく、今日はご飯を食べて、しっかり寝ようと思う。夕食は、食当の前田さんが、準備した、すきやき。遠藤さんが重い荷物を持ってくださったお陰で生卵つきのすきやき。豪華な夕食となった。

04.12.31>

起床/4:45〜出発/7:00〜 1400m/8:15 〜2000m/12:00 〜早月小屋/13:15

 

4:30起床予定だが、目覚ましなど設定している人がおらず、少し寝過ごす。天候は曇り。7:00出発。登山道に入る直前「試練とあこがれ」の石碑がみえる。「試練とあこがれ」・・・。この石碑をみると身が引き締まる思いがする。夏にいった時もつらかった早月尾根。今日もしんどい山行になりそう。道には雪がたっぷりつもっている。今回、道すがら、登山者に出会うと、「どこの大学の山岳部?」と何度か聞かれる。大学の山岳部と思われる理由は、おそらく20代のメンバーがいる事。フードや帽子で顔や印象がよくわからないため年齢不詳にみえるなどが考えられる。パーティとしても、年齢層が若く、女性もいるため、目立つ模様。登って行くと、私たちより日程的に先に、登っていたパーティが続々と下山してくる。今後、天候の悪化も見込まれるため、登頂を諦めた模様。29日の大雪直後に登ったパーティは相当なラッセルとなり、馬場島から、早月小屋まで、1日では行けなかったとの事。様々な人からの情報を総合すると、28日までは、山頂まで登頂したパーティはあるが、それ以降は登頂できたパーティはなし。(つまり大雪が降った以降は、山頂にいったパーティはなし)標高2450メートル地点で2日間、ねばったパーティも登頂をあきらめ、下山したとの事。私達は先に登っていたパーティがラッセルしてくれたお陰で、大きな時間のロスもなく、着実に登っていく。そして、早月小屋に到着。雪が降り出し、身体を動かさなくなると、とたんに寒い。まずは、テントを張る。降り積もった雪の整地からスタートからはじめる。もう一つのテント泊パーティも同じ様に整地をはじめる。作業は順調に進み、テントが設営される。また、小屋の外にある、トイレまでの道も、もう一つの山岳会パーティの人が、雪をかきわけ、道を作っている。それを手伝う。今回、雪は降っているが、風はあまり吹いていない。夏に来た時の方が、風が強かった。天気図作成、南海上に低気圧があり、内陸部も含め全国的に雪がふっている。明日も天候は悪い事が予想される。明日はとりあえず、ちんでんになりそう。さて、今晩の夕食は私が担当。ぺミカンでスープを作り、それにもちをいれる。試作段階で、ぺミカンから作った豚汁は、味がいまいちだった。そのため、急遽、味付けをスープに変更した。そのため、あまり味には自信なしの状態だったが、とりあえずは、クレームもなく?食べて頂き、ほっとする。雪はしんしんと降り続いている。首藤さんが寝る前、テントを出た時、テントやテント周りの除雪をして頂いた。ありがとうございます。テントの中は予想していたより暖かい。眠りに入る

 

05.1.1>

起床/5:00〜7:30 除雪 早月小屋出発/9:00 〜早月小屋より80mアップ〜早月小屋/13:10着

 

起床。昨日からの降り続く雪のため、食事をすませ、除雪作業がすぐはじまる。すっかり、雪国の人になった気分。整地面積を広げ、除雪した雪を整地した場所につみあげていく。整地する人。除雪する人。除雪した雪を整地した場所まで持っていく人に、わかれて作業が進められていく。皆で、協力しておこなう作業はなんだか楽しい。この作業を少ない人数でやるのはとてもつらいだろう。作業を終える。そこで、一旦、休憩に入る。

 しかし、そのまま、首藤さん・簗瀬さん・山川さん・遠藤さんは、ラッセルしてトレースをつけはじめる。という事で、遅れて、鮓本さん・前田さん・佐藤も参加。前半、頑張った、首藤さん・遠藤さんはテントに戻る。しかし、そのお二人も、降雪のため、テン場に戻り、すぐに、再度テン場を整地・除雪作業をはじめる。先発ラッセル隊の中では、簗瀬さんが残り、引き続き頑張ってラッセルされる。その後、順番交代で、ラッセルしていくが、遅々として進まない。本日、山頂まではいけないのは明らかだが、とにかく、ラッセルをおこない、少しでも歩をすすめる。私は、こんなに大雪のラッセルは、初めて。貴重な経験となっている。とにかく一生懸命ラッセルし、雪と格闘する。約3時間程、ラッセルをおこなった所で、簗瀬さんがGPSで高度をみた所、なんと、早月小屋より、標高にして、たった、80メートル登ったのみ。他パーティは全く登る様子はなしである。本日はここまでで終了となる。登るのにはすさまじく時間をかけたが、降りるのはあっという間、すぐに早月小屋に到着。早月小屋に到着後、鮓本さんと早月小屋にいった所、夏に山岳警備隊のすごさ、剱岳の危険さなどを語ってくれた、早月小屋のおじさんに再会する。なんだか、とてもうれしい気分。鮓本さんがおじさんと会話をかわすが、おじさんの反応は、前にあった事は覚えていない様子。どうやら完全に夏に出会った事は忘れている模様。ちょっと残念。

今日の行程は終了だが、時間はまだ、早い。酒とつまみをちびりちびりとやりつつ、テントでうだうだする。前田さん、山川さんはせっせと水作りをして頂きました。ありがとうございました。16:00になり、天気図を作成する。天気は回復の兆しあり。明日は、登らず下山とするか?それとも、登るか?相談。今日の様子では、山頂まではとどきそうにないが、とにかく行ける所までは行きたいという人と、明日は下山という人といる。結局、明日はいける所までいって、ある程度の時間になれば引き返す事となる。食事は、前田さん担当の牛肉と乾燥ごぼう煮。手軽で、かつおいしい一品である。

05.1.2>

起床/4:30〜出発/6:00 〜 2450m/9:00 〜 早月小屋着/10:15〜テント撤収〜出発/11:15

〜松尾平/14:40 〜 馬場島/15:45 〜 伊折/18:00 〜タクシー〜 上市駅/18:30 

〜富山駅/19:00 

起床。暗がりの中を出発。現在、雪は降っていない。昨日、トレースをつけた部分にも雪が積もっている。トレース部分を抜け、また、ラッセルスタート。先頭もしくは、2番手のラッセルは、雪が多すぎて、前もよく見えていない状況。1・2番手を終えると景色をみる余裕ができる。夜が明けはじめ、今まで、全く見ることができなかった、周囲の山々の風景、白銀の富山の町並み、青い富山湾が見えてくる。高度もあがっているため、眺望がどんどん、ひらけてくる。すばらしい景色が視界に入ってくる。この感動は、言葉や写真では、なかなか伝えにくい。

稜線にでると、風のため雪が少なくなり、ラッセルが楽になる。そのため、一気に高度をかせいでく。しかし、風は強くなり、寒さは厳しい。稜線沿いに出た、つらさや、冬の厳しさを実感。明らかに、夏山とは、違う世界である。2450m地点に到着。

ここで、ひき返すことになる。私にとっては、本格的なはじめての冬山。安全に楽しく登るには2450m地点が限界だろう。早速、くだりはじめると、さっきつけたトレースが風のために早くも消えかけている。

くだりも、快晴のため、まばゆい銀世界が拡がる。素晴らし景色。山岳会に入るまでは、こんな風景はTVか写真の中だけの世界だった。そんな景色が今現実に、目の前にひろがっている。早月小屋に到着し、テント撤収をはじめる。すると、突然カメラをもった、人が近づいて来る。TV朝日の取材だった。本日、唯一、山頂目指してアタックしていた、私たちの登る姿をカメラで撮影していたとの事。何のための取材かというと、今年のお盆に放映予定の、富山県警山岳警備隊の特番のための取材との事。リーダーの鮓本さん、そして、前田さん、山川さんがインタビューされる。もしかしたら、放映されるかもしれません。TVの取材も終わり、本日、時間的にも下山も可能なため、下山となる。天気は引き続き快晴。馬場島まで、一気にくだる。途中、私は、無理やり、所々尻セードしてくだる。とても楽しい。動物の足跡もみられる。そして、馬場島に到着。山岳警備隊の常駐施設に立ち寄り、やまたんを返却。そこで、再び、早月小屋のおじさんに出会う。伊折で、タクシーと待ち合わせ、馬場島を出発。18:00タクシーと合流。上市駅に到着し、富山駅に戻る。各自、下山報告を、関係者や親族におこなう。 京都へは、協議の結果、夜行列車で帰ることなる。銭湯に入ろうという事で、富山駅近くの銭湯に行くが、正月で、休み。

そのため、さらに約1〜2キロ歩き、別の銭湯に行くが、またまた休み。首藤さんが、ホテルで、正月でもやっている銭湯を聞いて下さり、やっと銭湯がみつかる。(銭湯探しの過程も楽しい経験でした。)入浴後、路面電車で富山駅に戻る。その後は、飲み屋で食事と酒を飲み、時間をつぶし、深夜2:00列車に乗り込む。そして、1月3日6:00に京都駅到着となる。

 今回の山行も、私にとっては充実したものになりました。サポート頂いた皆さんありがとうございました。また、一方で、ルートファインディング、登攀力・ロープワーク、などなど、向上が必要な事を現地にいってさらに実感しました。新年早々、山の楽しさと厳しさを知る事ができたと思います。一緒に行った皆さん本当にありがとうございました。今年もよろしくおねがいします。            (おわり)