火打、妙高山行記

記 大住 宏明 

 

川崎さんの、川崎さんによる、川崎さんのための百名山踏破の野望に巻き込まれ、火打山、妙高山山行を行いました。爆笑つづきの山行でした。以下詳細を密告します。

  メンバー:L川崎、大住、小畠、(忽那、川崎さんのお友達)

■10月11日 高谷池ヒュッテ

紅葉早朝5時京都発。北陸道から上信越道を通り、火打山へ一番近い登山口となる笹ヶ峰へ。途中牧場があり、識別用として牛に番号札をつける代わりに、背中の毛を刈り目立つように番号を浮きださせていた。川崎さんの「『ナオ』て名前の牛がいる!」という声にその牛を探すが見つからず。代わりに『十六』の番号を背負う牛がいた。一同大爆笑。ただいま老眼進行中です!

 駐車場に車を止め、出発準備。まわりは見事な紅葉である。しばらく林道を進むと登山口に着き、そこから奥に進むにつれさらに見事な紅葉になる。雨は降っていないがガスがかかって幻想的な雰囲気の中、緩やかな傾斜の木道を進んでいく。黒沢橋から尾根に向かう登りとなりまた、ぬかるみも増えてくる。しばらくすると急登な『十二曲がり』に入る。川崎さんはリーダーらしく

「これから急登になるのでがんばりましょう」

 私は残雪期に一度登ったが、それ程しんどい記憶は残っていなかった。ほぼ尾根上に上がったので地図で確認すると、十二曲がりは終わっていた。しかし、『十二曲がり』という標識を見たとき、川崎さんは

「えっ、十二曲がりはまだなん?」

とがっくりした様子。『十二曲がりは急登である』というガイド本からの情報は、心理的抑圧として心に残っていたみたいである。尾根に出ると後は緩やかな登りとなり、所々に植物や動物などのTopicsを書いたプレートがある。また、木道も所々あり、百名山なので整備は行き届いている。

 富士見峠で火打へつながる高谷池と妙高へつながる黒沢池へ分岐する。名前からして富士山が見えるはずだがガスっている。緩やかな登りを登っていくと一時的にガスが晴れ、火打山とそれに続くなだらかな麓が見えてくる。先行パーティに追いつくが、何か様子がおかしい。おばさんが腕を脱臼したみたいで、高谷池ヒュッテの人が背負ってヒュッテへ。

 テン場は微妙に傾斜しており、多分雨になるだろうからと浸水しにくい所を選んで設営。さすが平日だけあって貸し切り状態である。設営後ヒュッテに行くと、天候の状態によってはヘリコプターは飛べないかもしれないと携帯電話で連絡があった。ケガをした人はかなり痛そうだった。

 ヒュッテで作っているオリジナルの版画をもらうのを、コバちゃんはすごく楽しみにしていたみたいである。しかし宿泊客しかもらえないとわかった後、ヒュッテにおいてあるノートに『宿泊客だけでなく版画をわけるべき』という主旨の文句を書いていた。後で版画は手作りフレームに入れられ、付加価値を無理矢理つけて\3000で売られているのを発見。でもコバちゃんは購入しなかった。

 夕食までの間、各々行動食を出し合ってつまんでいたが、忽那さんの行動食はヴォリーム、バラエティーともすごい。ただ今回はお酒類を買い忘れたので、お酒類は全くなし。さらにコバちゃんが持ってきたサラミまであると、よけいにお酒が欲しくなる。夕食は豚肉のショウガ焼き、ベーコンスープである。川崎さんの生活の知恵である断熱袋のおかげで、豚肉はまだ凍ったままであった。

 

■10月12日 妙高山

湿原 5時起床。今日の行程は妙高山へのピストンだが、ガスっている。この状態ではヘリは飛べないだろう。コバちゃんの
「雲の動きが速いので、妙高山に行く頃には晴れている」
という理解しがたい理論に希望を託す。黒沢池に着く途中でヘリが上空を飛んでいき、高谷池付近におりたみたいである。一同良かったと喜んでいたが重要なことに気がついた。着陸するところはテン場ぐらいしかないので、テントはダウンウォッシュにより吹き飛ばされているかも知れない。

 紅葉した山をバックに、湿原の中を木道が走る景色は絶好のビューポイント。やがて特徴のある黒沢池ヒュッテに着く。黒沢池ヒュッテには山岳救助犬の子孫のジャーマン・シェパードが三匹いて、犬好きの川崎さん、コバちゃん、大住は時間も忘れしばらく遊んでいた。妙高山への登りの途中で一瞬太陽が顔を覗かせた時、コバちゃんは『ほら、晴れたでしょ!』というような自慢げな顔をしていたが、そのうち雨が降り出してきた。

こばちゃんとジル 頂上はガスったままであったが、また一瞬火打山方面が晴れ焼山の噴煙も見ることができた。写真を撮ってすぐ退散。去年、雨飾山に登ったときも噴煙が見えていたので、その事について話が弾んだ。しかし一緒に行ったコバちゃんは行ったことは憶えていたが他の記憶に乏しく、誰と行ったかということさえも忘れていた。さすがアルツメイツの副会長だけのことはある。毎日が新鮮なことでしょう!

 景色も見えず暇なので恒例のしりとりをする事に。しかし、まあなんですな。いちいち人の言葉にいちゃもんをつける人がいるんですな、これが。

 昨日樹林帯にはハート形に似た木片がたくさん落ちていた。人に聞いてもその正体が何か分からなかったのが、その木片のそばにシラビソの実生らしきものが落ちているのを発見した。一片を剥がすとまさにそのハート形。鳥が種を食べるために剥がしたのだろう。問題解決。

 テン場に戻る前に小屋へ寄ると、ヘリが来たのでテントが飛ばされたという情報を得る。「飛ばされたということを知っているなら、元に戻しとけよ」と思いながら急いでテン場に行く。予想に反してテントは少し移動していたが、無事自立していた。但しテントの中はカオス状態。すばやく整理して暖をとるため湯を沸かす。

 雨に濡れたので着替えることになったが、一応女性が三人なので「外に出ます」と気を利かせた。しかし、外は雨なのでテントの中で目を閉じていればいいとのこと。コッフェルの取っ手を持ちながら目を閉じていたが、
「一瞬でも目を開けたら、ただではすまない」とは単なるいじめだったのでは。

 夕食は好物のポトフで、おいしくいただきました。

 

■10月13日 火打山

 4時起床。雨である。寝袋から出るとき、女性陣がまた着替えると言う。一瞬でも目を開けずに閉じているのは精神的な苦痛があるので、外に出ると主張した。しかしまた、外は雨なので「テントから顔だけ外に出していれば」と優しいお言葉。ただテントから顔だけ出してフライシートを眺めているのは、客観的にみるとまぬけである。

 またもやコバちゃんの「風が強いので、頂上に行く頃には雨は止んでいる」という希望的観測結果が出た。木道を進み楽しみにしていた湿原の『天狗ノ庭』のを通るが、ガスっていてよく見えない。稜線に出ると風が強く、階段状の木道を登りつめると頂上である。とりあえず記念写真の後、すぐ引き返す。

 一時間ほど休憩したら、ガスは晴れ雨も止んでいた。テントを撤収し下山する。ヒュッテ前にはすでに登って来た大勢の人がいる。登山道は雨ですごいぬかるみ状態。登ってくる人々は泥だらけである。途中でキクイタダキの大群が見られた。生で見たのは初めてだった。

 またも暇なのでしりとりやことわざのゲームをする。順番にことわざを言ってていくのだが、そのうち知っているものがなくなっていく。苦し紛れに川崎さんが「美人薄命、まるで私の事」と。川崎さん、『美人』にクレームを付ける気はありませんが、『薄命』にしてはかなり長生きされているのでは?

 かなり降りた頃より晴れてきて、シラカバの幹の白と紅葉したあざやかな赤と黄が目に染みる。林道に降りた頃には空は晴天になっていた。今回は登り始めと終わりに天気が良かったことになる。

 この後、牧場を見学して途中の杉野沢温泉に入り、富山で高速を途中下車して寿司を食べ京都に戻る。いろいろ笑わせていただいた山行でした。

 

コースタイム

10/11

10/12

10/13

笹ヶ峰

12:00発

高谷池

7:15発

高谷池

6:05発

 

0:50

 

0:55

 

1:10

黒沢橋

黒沢池

 

火打山

 

 

0:30

 

0:55

 

1:00

十二曲り

14:10着

分岐

高谷池

10:25発

 

1:00

 

0:55

1:10

富士見峠

妙高山

十二曲り

 

 

0:25

2:20

1:30

高谷池

16:20着

高谷池

14:20着

笹ヶ峰

14:20着

 

 

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