百名山への旅
                                                              記:やすえもん



 夏の間だけ、入山が容易になる憧れの南アルプスの山行計画を愉しみながら立案した。畑薙ダムから、東海フォレストのバスに乗せてもらい、椹島ロッジから千枚小屋、荒川、赤石、聖と壮大な計画。
いよいよ出発の日が近づくが、梅雨前線が元気すぎて、山行計画を予定した期間中、北海道を除く本州、九州はぜ〜んぶ雨マーク。行くなら青空の下を歩きたい。
 出発の前日、職場の同僚の協力を得て(良い人たちばかり)退社時間とにらめっこし、JTBの窓口へバイクで走り込む。6時閉店の30分前に無事到着し、旭川行きの航空券を2枚ゲットできた。(だいぶ高かったけど、後は節約で対処)。もちろんレンタカーも予約ができた。

メンバーは、いつものくっちゃんと私。行く先を急遽十勝岳、大雪山に変更したが、すでにもう、始めから北海道に行く予定であったかの気分。くっちゃんはとてもおおらかで、いつも気持ちが安らぐ。

7月23日:旭川空港〜国設白金野営場21:00着。

 とても静かで、整備されたキャンプ場、管理人のおばさんはとても親切な方だった。ガスが購入できなかったので、コンビニのお弁当で夕食。節約。

7月24日:十勝岳望岳台登山口5:50=雲ノ平分岐6:39=美瑛岳分岐8:48=美瑛岳9:49=十勝岳12:15=
      昭和噴火口12:55=雲ノ平分岐14:46=望岳台登山口14:53

 4時に起床し、青空の下すがすがしく出発する。美瑛岳分岐までは緩やかな整備された山道を歩く。分岐からはお花畑、雪渓、渡渉と飽きることのない景色が広がる。が、底まで下った後の登り返しがかなりきつく、以後、くっちゃんのばてる原因となる。美瑛富士が美しく見える視界の広がったところで休憩をとり、一気に美瑛岳へ。この頃より雲行きが怪しくなり、美瑛岳山頂はガスの中、トホホ…。
  写真を撮ってもらうべく、振えながら(寒かった)ずーと人の来るのを待っていたという仙台からきた青年?ライダー(自己紹介されたが名前はすぐに忘れて、くっちゃんに聞くけど…・???)に、先に写真を撮ってもらい、そして撮ってあげた。ガスの中で、おまけに地図を持ってないと言うこの青年の希望を叶えるために、成り行きで一緒に十勝岳に向かうことになる。美瑛岳とは山様がかなりかわり、十勝岳への登山道は溶岩のごろごろしたとても歩きにくい道で、所々でチングルマが声援を贈ってくれるのみ。この頃には風雨で雨具が必要となった。砂利と化した溶岩は足を運んでも、半歩ほどずり落ちてなかなか進まない。かなり難儀したが、やがて緩やかな広い台地状の頂上直下に到着。ふわふわの、スポンジの上を歩くような、今までに体験したことのない感触が足から伝わってくる。火山灰の堆積に寄るものだと…・青年弁。岩場を上り詰めると十勝岳の頂上に立てた。61座目。
 もちろんガスの中、真っ白で何も見えないけど、とりあえず記念写真を撮り合う(このとき青年が撮ってくれた写真はこれ以上の手ぶれはないだろう、と思われるほどのブレ様だった。後程くっちゃん大怒り)。下山は噴火口までは草一本もなく、まるで富士山のよう。未だ富士登山の経験のないくっちゃんに話しながら歩く。
  この頃より青空が見え始め、雨具を脱いだ。眼下に広がる美瑛の丘は雄大で、緩やかな台地のうねりが優しく感じられ、開放感でいっぱいになる。
  青年は登山経験が浅く、食料も水もすでに美瑛岳で尽き果てたとのことだった。途中の休憩では、もちろん食料やお茶を分配し、3人で無事下山となった。これも何かの縁ですなあ。良かった良かった。とても良いことをした気分になれたのは青年のおかげだった。

7月25日:旭山動物園(オプション)

7月26日:大雪(黒岳〜北鎮岳〜間ノ岳〜旭岳〜北海岳〜黒岳)お釜をぐるっと一周。62座。

 層雲峡のビジターセンターは充実していると思った。真中に大雪山系の模型があり、山容がわかりやすい。
 いつか北海岳からトムラウシに延びる尾根を縦走してみたいと思いながら模型を見ていると、親切にセンターの方が話しかけてくれて、トムラウシまでの縦走のアドバイスをしてくれた。
 今回は急な予定変更だったけど、有意義な時間を過ごせた。
 いつか…きっと…と先の事に希望や夢を抱くけど、少しの勇気と、柔軟さがあればチャンスはすぐそこにある、と自分が元気になれた山行だった。