吾妻山 山スキー(2/24、25)

メンバー ichi、寺澤ボン、やっちゃん(記)

百年ぶりの少雪の中、今シーズン2回目の山スキーに行ってきました。

米沢駅で合流後、バスで白布温泉の民宿へ。囲炉裏とコタツのある広い純和風の食堂兼居間には、おじさんの趣味であるステンドグラスの作品が所狭しと陳列されていて、朝ごはんのおにぎりを食べていると、ちょっと不思議な感じ・・・・。ガラスを研磨する手を休め、具たくさんのお味噌汁を運んできてくださった。嬉しく、美味しかった。

1日目:天元台から若女平コース


 天元台スキー場まで送ってもらい、ロープウェイとリフトを乗り継いで一気にゲレンデトップ(1820m)にたつ。天気は曇りで、大凹から凡天岩天狗岩の鞍部へと上るほどにガスが濃くなり、強風が容赦なく吹きつける。「雲上の樹氷原散歩と、粉雪滑降を堪能の人気コース」とは・・・晴れたらさぞ、素晴らしいのだろうと思いながら、西吾妻山を目指す。地図と磁石が頼りの、どこまでも同じに見える広い広い樹氷原・・・。「もうそろそろ小屋が見えてきてもいいんだけどな」とつぶやくいっちゃんは、いつも頼りになるリーダー。ガスの切れ間に「小屋発見」の言葉で、ほっとする。

 小屋の東方向に西吾妻山(百名山)が見えるはずなのだけど、濃いガスの中にあり、白一色で何もみえない。小屋へは2階入口につけられた梯子を上がり、小休止させてもらう。きれいに使われていた。ガスも濃いし、時間的にも厳しいから、諦めないといけないかな〜と思いながら小屋を出ると、目の前に西吾妻山が横たわっていて、「さあ、登ろう!」と言ってくれたいっちゃんは、この日一番素敵にみえた。

 樹氷の狭い間を縫うように登ること約10分、標識は雪に埋もれて確認できないけど、一番高いと思われる所で登頂とした。私にとって66座目の百名山。お世話になったシールをはずし滑降開始するけど、狭い樹氷の、硬い雪上を滑り降りるのに、みんな四苦八苦した。

 小屋からは北面に進路をとり、沢の中にダイブ!上部は重めのパウダーを満喫できたけど、雪が少なく途中からは木をよけるのに気をつかい、地図を見ながら慎重に滑る。

 若女平のダケカンバの林はとても美しく癒されたけど、次の天狗岩のやせ尾根は雪が少ないのに加え、前日の暖かさで溶けた雪が、気温の下がった今日はカチカチに凍って、スキーでは怖くてとても通れず、3人ともつぼ足で緊張しながら通過した。

 難所を過ぎてからはコース標識を見ながら無事林道入り口におりた。板をはずしていると民宿のおじさんが、スキー場ににお客さんを迎えに行った帰り道、私たちを見つけてくれて、車に乗せて連れ帰ってくれた。朝、ほんの少しの時間を宿で過ごしただけなのに、ちゃんと覚えていてくれて、私はこういうことがとても嬉しくて仕方ない。

 変化に富んだルートの地図読み、難所の判断など自分なりに学習でき、夜は温泉と、食べきれないほどのご馳走に舌鼓。人の温かさにも触れ、いい一日に感謝。

 夜は体の硬い二人とストレッチヨガに取り組む・・・がしかし、硬すぎる(笑)。

2日目:天元台から大沢下り

 今日は雲ひとつない晴天に恵まれる。昨日と同じリフトトップから、スキーならではの一日18kmのツアーコースを体験する。リフトトップでは、他に2パーティがスキーにシールを装着されていたが、人形石までの登りは私たち以外に見かける人はなく、いっちゃんが新雪をラッセルしながら気持ちよさげに力強く進んでいく。すぐに2番目を歩く私との差が広がるのだけど、いつものことながら、見えなくなるぎりぎりのところで待って、近づくと絶妙のタイミングで歩き出すから休めない。ボンは私の後をゆっくり歩いてくれる。

人形石からは東方向に広く緩やかな稜線を望むことができた。見渡す限り樹氷の雪原が広がって、空の青とのコントラストが素晴らしく美しかった。一旦、シールをはずし、短いながらもパウダー滑走を楽しむ。再びシールを装着し、遥か遠くに望む明月荘を目指しながらの稜線歩きは、風もなく気持ち良すぎて自然と顔が緩む。「雲上の樹氷原散歩」が現実となる。
 明月荘でシールを外し、大休止していると、笑顔がとても素敵な地元のおじさんが「今日は天気が良いから、登ってきた」と親しげに話しかけてくださり、下山路のアドバイスをくれた。

けど・・・。訛りで半分くらい???山を愛されていることはじんじん伝わってきた。

そして、いよいよクジラの大斜面に向けて力強く飛び込む・・・はいっちゃんとボン。私は荷物が重く転ばないように慎重に滑り込む。昨日の滑りでも思ったけど、ボンは山形に赴任して後、確実にスキーの腕前が上がった。いっちゃんも、ボンも雪と戯れている感じがして、見ていてとても楽しい。“忠ちゃん転ばし”と言われる急斜面までは何とか雪質も良かった

けど、下りきった林道の雪質は滑るに従いどんどん悪く、氷の上をずーっとボーゲンでブレーキをかけながらの、太腿の筋肉に苦しい滑りを強いられた。ぱんぱんに足が張って、滑れなくなっては、各々休んで顔を見合わせ苦笑い。この林道のスーパーボーゲンで、予測をはるかに上回るコースタイムを記録し、早々に大沢駅近くの小屋に到着した。

 この小屋は大沢スキー場(リフトはないけど、タイヤチューブで遊べる)にある小屋で、開いていたら、「ビールが飲める」といっちゃんが楽しみにしていた。幸いにも吾妻山岳会の例会(毎年2月の最終週)のために、特別に開けてくださったとの事で、幸運の極みだった。小屋のおばさんはとても可愛く、抱きしめたくなるような温かな感じの人で、ビールを注文すると、お皿一杯のたくわんがお盆に載ってきた。いっちゃんがこの小屋を楽しみにしていた訳が、ビール以外におばさんに会えることも大きかったんだろうなぁ・・・。照れるおばさんを引っ張って、椅子に座ってもらい一緒に写真を撮った。前に訪れたときも一緒に写真を撮って、列車に乗り遅れた・・・といっちゃん。おばさんはニコニコしていた。前と違ったのは、おじさんの存在がなかったことだった。

 列車に時間までを、割烹着と、毛糸の帽子が似合いすぎるおばさんの小屋で過ごせたことはとても幸せだった。

 たくさんの感動を与えてくれた山々、出会った人達、そしてお世話になったいっちゃん、ボンに深く感謝します。ありがとうございました。

西吾妻を背に広大な稜線を進む
 開放的なクジラの大斜面を下る
忠ちゃん転ばしはもうすぐ

コースタイム

 1日目 :天元台スキー場リフトトップ 11:50−大凹12:10−西吾妻小屋13:20〜13:40−西吾妻山13:50〜14:05−西吾妻小屋14:15−林道入口16:30

 2日目:天元台スキー場リフトトップ9:15−人形石10:00〜10:10−明月荘11:40〜12:00−忠ちゃん転ばし12:45〜13:00−吾妻山山麓放牧場14:15−大沢小屋14:40